つまり、イベントに参加したその延長でさらに足を延ばそうという目論見。
採集会の集合場所は山梨県のとある無人駅。
色々あって集合時間には間に合わなかったのですが、なんとか合流することができました。
今回の採集対象のメインはオオムラサキでした。

オオムラサキ ♂ (タテハチョウ科)
ご存じ日本の国蝶。
ここで一句。 ~ 採集会 第一回でもサイシュウカイ ~樹液の出ている木にはオオムラサキ以外にもカナブンやちょっと危険な虫スズメバチもくるので注意。

被写体にカメラを向けると採るのをちょっと待ってくれるような分別のある子たちばかりなのでこちらもあせらずに撮影できます。
中には素手で採る子も。

ひとりで何頭も採る子もいましたが、採っても採っても次から次へと集まってくるので、ベテランでない子もみんな採ることができました。
落ち着いてきたので撮影も接近戦にうつります。

オオムラサキ ♂ (タテハチョウ科)

同上

同上
普通のカナブンにまじって、ちょっと派手目なのもいました。

アオカナブン (コガネムシ科)
まるで蛍光塗料を塗ったようにぴかぴかしていて、カナブンは採らない子もアオカナは採っていました。

シーズンはじめのせいか、オオムラはオスばかりでしたが、やっとメスも見つけました。

オオムラサキ ♀ (タテハチョウ科)
ひとしきり本日の主役の撮影はできたので、一旦林を出て他の虫も探してみることにしました。
まず最初に目にとまったのは、

エダナナフシ (ナナフシ科)
2匹いますよ。
それからこの子ははじめてでした。

モモブトスカシバ (スカシバガ科)
毛虫のようにもじゃもじゃになっている部分は翅でも胴体でもなく、後ろ足。 フシギな容姿の蛾です。
トラノオに集まるそうです。
そういえばたくさん咲いていました。

アカハナカミキリ (カミキリムシ科) と トラノオ
そしてイトトンボ。

ホソミイトトンボ (イトトンボ科)
ここは水辺から離れた林縁だったので、そう同定します。
このイトトンボはオツネントンボ、ホソミオツネントンボと同じく越冬するめずらしいトンボですが、
この子のように春に羽化したと思われる固体は冬になる前に死んでしまうそうです。
その後お昼を食べてしばらくして採集会は無事終了し自由行動となりました。
せっかくなのでフィールドを一巡りして、そこでゲットしたコクワガタやノコギリカミキリを参加者に進呈して、
フィールドを後にすることにしました。
タマムシがいるかもしれないというスタッフのひとりの後をくっついて、来た道を戻ったのですがあいにく会えず。
その代わりにこんな子がいました。

マダラカマドウマ (カマドウマ科) コンデジ撮影
この子はいわゆるベンジョなんとかではなくて、樹液に集まるやつです。 見た目は似てますが・・
林の入口に戻る途中、キウイやプラムの果樹園があって、脚立にのぼって収穫中の農家の方に挨拶したら、
「おひとつどうぞ~」
とプラムをひとつ投げてくれました。
それがうまいのなんの。 あっというまに芯だけになってしまいました。
最後にスタッフのみなさんに挨拶してほんとに解散。
計画どおり、その後ひとりで日野春まで足を延ばして、オオムラサキセンターへ。
山梨県北杜市は、八ケ岳や清里を頂く高原の町ですが、昆虫の里でもあるのです。
特にオオムラサキの保護にはチカラを入れているようで、長坂町は全国一の生息地なのだそうです。
センターへのアプローチの途中の木に一匹みつけました。

オオムラサキ
どうやら羽化不全の子だったようです。
屋内観察施設では警戒心喪失のオオムラサキが至近距離で楽しめます。
産卵の様子も観察できました。

ビデオ上映も見て館内のめぼしい展示を見終わったので、野外の自然公園を散策しようかと思ったら・・
突然大雨が降ってきました。
夕立にしてはやや早い時間帯、いわゆるゲリラなんとかというヤツだったのでしょう。
しかたなく、ぬるいラムネを飲みながらテラスでぼおっとしているうちに眠くなって転寝をしてしまいました。
しばらくして目を覚ますと、屋根や雨どいから落ちる水音はするけど空は青く、昼ごろよりもいい天気に。
時刻は5時、自然公園を散策するには時間が足りないのでそれはまた次回ということにして出発しました。
つづく
オマケ
もちろんオオムラサキに関する展示が多いのですが、チョウをはじめとするさまざまな昆虫の標本も見られます。
標本だけではなくて、生きている昆虫もいます。
とくに外国産の甲虫類がたくさんいてびっくりしました。しかも巨大なヤツ。
こんなのや。

タランドゥスオオツヤクワガタ (アフリカ産)
こんなの。

ヘラクレスオオカブト (南アメリカ産)
さらにおどろいたのは、この子たち、おさわり自由なんです。チップも不要(笑)。
今日の湯加減
昨日、ふらりと図書館に行って、文庫本コーナーを眺めて、特に何の理由もなく目に付いた一冊を借りました。
それは群ようこの『かもめ食堂』でした。(2006年出版)
そしたら今朝の朝日新聞の別紙「映画の旅人」に取り上げられていたのがなんと『かもめ食堂』でした。
舞台は北欧フィンランドのヘルシンキ。
映画『かもめ食堂』の舞台となった家庭料理店は開店10周年を迎えた今もにぎわっているそうです。
さて次回は北欧ほどではないですが、涼しい高原に向かいます。
この記事へのコメント
馬爺
昆虫採集でした。
蝶などをカッターシャツの箱に虫ピンで止めてナフタリンを入れておくんです。
アサギいろ
それから、フトモモスカシバは初めて見ました。
すげー(こども言葉)ムシですね。
mimimomo
沢山の昆虫に会えて幸せなひと時でしたね^^
オオムラサキ、採集してお持ち帰りですか? 何だか数が減りそうで
心配してしまいます。
ぜふ
標本作りしました。手当たりしだい無秩序に虫ピンでとめてました。
展翅もせずに・・
>アサギいろさん
ほんとにそうなんですが、玄人はだしの小学生もいるんです^^
えーっと、間違えやすいですが、”フトモモ”ではなくて”モモブト”ですが(笑)
なんてスゲー翅なんだろうと思ったら足だったんでさらにビックリでした^^
>mimimomoさん
この場所に限っては心配ないと思います^^
広い地域として自然が保たれているし、採集会も年に1~2度のことですから。
逆に生息数日本一のここでこそ、子どもたちに思う存分採らせてあげたいです♪
yakko
オオムラサキはブログ上でしか見たことがありません。綺麗ですね〜
アオカナブン、良い色してますね。甲虫類はちょっと苦手です・・・
Silvermac
路渡カッパ
オオムラサキの産卵の様子なんて、初めて目にしましたよ♪
g_g
まだ見たことが無い気がします、産卵も素晴らしい・・・
engrid
採集する子どもたち、うらやましい
カナブンも、オリエンタルな輝き
・・・みんな子供たい標本にして、学ぶのかな?
ぜふ
オオムラサキは実際に見ると迫力があります^^
カナブンは誰もとらなかったですが、アオカナブンはとってましたね。
>Silvermacさん
キレイですが、存在感も別格ですね。 ヨコヅナという感じ^^
>路渡カッパさん
産卵シーンははじめてでしたが、エノキの葉ではなくて枝にも産むとは・・
>g_gさん
そちらにも分布していると思います。 ぜひ生で^^
多産なんですよね。こんなに産んだら木が坊主になりそうです^^;
>engridさん
この子達はちゃんと展翅もして標本にすると思います。
アオカナブンの色は他にない独特なトーンと輝きですね。
つれて帰りたかった^^
aidesu
カナブン、蛾、スズメバチがわんさかいて
森自体も虫の匂いみたいのしてましたよね。
今でもあるんですね。
200記事おめでとうございます^^
うえいぱうわ
派手なのが好きなのかな?(笑)
ぜふ
うちの田舎もそうでしたがまさにこの林は樹液のにおいが立ち込めていました。
200記事目・・まちがえて一回削除してしまいました^^;
>うえいぱうわさん
アオカナは熱帯にいる昆虫のようです。日本の虫らしくない!?^^;
今回はいませんでしたが正反対に地味な真っ黒けのクロカナブンというのもいます。
おもしろいですね~^^
響
出会ってみたいです。
ヘラクレスがいる場所でバイクに乗るときは
ゴーグルは必需品ですね。
よくカナブンがヘルメットにカ~ン!って当たるけど
こいつだったら刺さる。
ぜふ
アオカナはラテン民族もびっくりのハデハデです^^
ヘラクレスが刺さったら・・大流血!ですね^^;
でもそんなところに行ってみたい・・
moz
上手い、座布団一枚 笑
オオムラサキ、メインの山梨だったんですね。国蝶、さすが綺麗ですね。
それを、これでもかと、捕獲できるなんて、すごいです。
続きが楽しみです。信州はどうだったんでしょう?
albireo
写真のスズメバチは、ヒメスズメバチのようですが、昔は、タテハチョウやカナブンが樹液を求めてくるような樹では、オオスズメバチを見掛けたものでした・・・最近はいませんね・・・
masao。
お写真を拝見しているとあの迫力のある翅音が聞こえてきそうです。
タランドゥスやヘラクレスにおさわり自由なんですか!
符節や角・顎は、凶器だけど大丈夫なのかな?
でも子供たちは大喜びでしょうね。
ぜふ
あっためていたネタです^^;
信州編もお楽しみください。(ネタはありませんが^^)
>albireoさん
チバにもいます。かならず会えるような濃いところは少ないでしょうけど・・
そこにはオオスズメバチもいます^^;
>masao。さん
頭上を横切られると、鳥が飛んでったのかと思うほどですよね^^
ヘラクレス、おさわり自由でしたが「なでるくらいにしてね」と書いてありました。
さすがに子どもたちもやさしく触っていましたね。