Chal.16からの北総シリーズですが、シロイエリアの再チャレンジ。
本命のアオオサムシではありませんが、今回の探虫行で巡り合ったカワイイ子。

なかなか接写できるチャンスが少ないゾウムシの仲間です。前回のシロイアタックは、延長もしたのにチャレンジ失敗。
反省した結果、もう一度現場合わせでポイントを見極めようと思っていました。
でもGoogleMapを眺めていると、今まで攻めていたエリアとは全く違う所に谷地があるのに気が付いた。
こんなところにもあったのかと、場所は決定しましたが、付近の様子は不案内なので当たって砕けろ。
10月6日の午後、とにかく現地の様子を探りに向かいました。
常道としてまずは谷地の下流側(今回は西側)と道路がぶつかるところを目的地にして一路北へ。
道路から谷地への入口は一か所しかないようだったのでアプローチは簡単でした。
しかし谷地の外縁の森へ行くのに少し手こずりました。

北の森側から谷戸を見たところ
小さなスクラップヤードにぶつかって引き返し、谷戸を一旦横断して北側を進むと。
民家で行き止まりにも見えたのですが、脇に森の中へと続く道がありました。

ベニシジミ号を停めて森の中へ入ると、作業道らしき小径は廃道化していますが延々と続くようでした。

杉林でしたが臨床は平坦で、チャレンジしてみる価値は十分な環境だと思いました。
もう少し奥の、杉の密度がやや少なくなった林の中と、その北側の元作業道の縁にトラップを設置。
ベニシジミ号まで戻ってきてから、追加で上の写真の林の中に三つほどオマケで仕掛けました。

もう一か所、この森への道の途中の畑の奥にも仕掛けてみようと、ベニシジミ号にまたがりました。
ところが行ってみると、その場所の近くは墓地だったので遠慮しておきました。
病み上がりでやや疲れていたこともあり撤収しようと思いましたが、森の東側の様子も見ることに。
ところが、行ってみると東側の林縁は深い藪でしかも道路から深く落ち込んでいて入れなさそうでした。
これはダメかと思いつつも、道路を北へ少し進むと作業道の入口がありました。
ロープが張られていましたが立ち入り禁止などの表示はなかったので、ベニシジミ号を停めて徒歩で進入。
轍のついたデコボコ道をしばらく歩いて行くと、急に視界が開けました。
元は畑地だったのでしょうか、今は耕作はされていないようですが、人が整備した草原。

(翌日の明るい時間帯に撮影)
草原の右隣は杉林で、そこに仕掛けてもよさそうでしたが、せっかくなので奥まで進んでみました。
奥側にも少し幅の狭い草原がありました。

この先はおそらく西側から入った森とつながっていると思われました。
なので、この草原の南側の林縁に、やや広範囲に密度は低くトラップを仕掛けることに。
持ってきたカップの残りを全て設置し終わり、ベニシジミ号を停めた入口へと引き返す途中。
最初の草原に差し掛かったとき、足元の何かにコンチューターが反応、というか踏みそうになりました。
逃げられるかと思いきや、カメラを出して跪き、レンズを近づいても微動だにしません。
あれ?死んでいるのかと思ったら・・

ショウリョウバッタモドキ ♀ (バッタ科)
産卵中だったのでした。

翌日、さっそく回収に向かいましたが、まずは草原のある東側の森へ。

あまり期待はしていなかったけれど、なんと二つ目のカップに本命が。

アオオサムシ ♂ (オサムシ科)
赤のカッブの中だと色が分かりにくいので、取り出してから記念撮影。

同上
緑色と赤銅色が混じって少し渋い金属光沢があります。

他のカップはというと、動物に抜かれることはなかったものの、ゴミムシ類は皆無でセンチが少し。
シデムシなども見られず、空のカップが多かったのですが、追加もありました。

クロとアオです。

クロナガオサムシ ♂ (オサムシ科)
水死しているように見えましたが元気でした。

アオオサムシ ♀ (オサムシ科)
ミッションコンプリート。これで空白がまた一つ埋まりました。
もちろん森の西側のトラップも回収しに行きましたが・・
なんと、ほぼ全てのカップが動物に引っこ抜かれていました。
オマケ
本編に登場させなかったですが、扉の写真の虫は草原を囲むように張ってあった杭の上にいました。

クリシギゾウムシ (ゾウムシ科)
体長は約10mm。内クチ(ハナ)が4mm。
この長いクチでクリの実に穴を開けて卵を産みます。
つまり、栗拾いをして穴が開いていたら、この虫のシワザの可能性大。
今日の湯加減
街路のキンモクセイが香ってきました。
あの暑い9月に咲くわけにはいかなかったでしょう。
急に秋になってしまい、準備運動もなしに咲き始めたのかもしれません。
いずれにしても、今年も短い秋になりそうです。
この記事へのコメント
高和です。
異常に熱かったこの夏、武蔵野は黒いアゲハが少なかったと思いますが、いかがでしょうか。
トラップのカップが熊手にかわるのももうすぐですね。
sakamono
いますね。この細長いのが口とは。栗に穴を開けるほど強力なのですね。
kon(昆)
半分以上は埋まっていますがまだまだたくさん残っています。
山の中では少なかったような気がします。アゲハに限らずですが・・
>sakamonoさん
体の一部を道具に変えた虫の典型ですね。
おそらく固いだけではなく、キリのような構造も持っているのではと。