前記事で「出直すしかない」と書いたポイントへさっそく出直してきました。
前回同様、空白を埋めろというのと、追加を採れというミッション。

これは本命か・・・
2月1日、久しぶりに一日オフ。
北総あるいは利根川方面に行くことも考えましたが、次のオフ日が不明のため、前記事のリベンジを優先しました。
前回は空白エリアであるカツウラへ先に行きましたが、今回は出直し場所のオンジュクへ。
目標地点は町境のためピンポイントで設定できました。
前回と同様、大多喜のコンビニで休憩ピットインして約2時間で到着。
県道沿いにこんな林道の入口が。

入口付近はスルーし、まずは林道の奥へと進みます。
数か所にガードレールも残っていたので、昔は車も通行できる林道だったようですが、今や荒れ放題で徒歩でもやっと。

林縁に崖地が断続的にあるものの、入口付近と同様に岩壁か、乾いた切通しが続くばかり。
しばらく進むと分岐があり、下る方へ進むとそこも細い切通しで、下りきると集落の道に出ました。
地面の岩が階段状になっているので参道ではないかと思われました。
これは最下部から見上げた様子。

参道はガレて苔むし、今や参拝者は皆無と思われます。
参道を引き返し、途中の見た目が良さそうな小崖にとりつきました。
試掘すると、かなり乾いているものの土の中は少し湿り気があり、固さもいい感じでしたが最初は誤爆。

ニホントカゲの幼体
ごめんねと詫びながら埋め戻し、カニ歩きしつつ試掘を続けているといきなり。

アオオサムシ ♀ (オサムシ科)
これでオンジュクミッションは一応クリアですが、やっぱりオスもほしい。
いることは分かったのでテンション高く、コツコツと掘り進めていると、次に出たのは。

アワカズサオサムシ ♀ (オサムシ科)
その後も出るのは同種ばかり。

同上 ♂
顔が出たら土でフタをし、掘り出してしまったらオスだけキープしてメスは埋め戻していきました。
分岐の付近まで試掘していくも追加が出ないので、林道の奥を探索することにしました。
いったいどれくらい放置された林道なのでしょう、切通しはガレ放題、倒木や落石は積もり放題。

しかし崖は岩壁ばかりでバチツルを当ててもガチンと跳ね返ってくるばかり。

30分ほど歩くとゴルフ場が見えてきたので引き返すことにしました。
やはり、さっきの参道の小崖がもっとも有力と思い、掘り残し箇所や周辺を再掘することに。
何頭もアワカズサを掘り出しては埋め戻しを繰り返し、やっとのこと追加が出ました。

アオオサムシ ♀ (オサムシ科)
残念ながらまたメスだったのでさらに粘りました。
しかし、とうとう参道の小崖は掘り尽くした感。
前回掘った、林道入口の崖に賭けることにして引き返しました。
その途中に落ちていたもの。

括りワナだと思います。
入口付近の崖も岩壁なのですが、表層の付着した土塊を試掘します。
そういう箇所は少ししかなく、丹念にトントンしていくも本命はおろかアワカズサすら出ない。
前回一撃で出したのは本当に幸運だったのだなとしみじみ感じた頃、突然団体さんが現れました。

アオゴミの集団越冬体ですが、とても久しぶりの観察となりました。

アトボシアオゴミムシ (オサムシ科)
これはこれで今や貴重な成果。
ちょっと時間を使い過ぎた気もしたし、もう一つのミッションを果たすべく移動することにしました。
さあ、難関のカツウラなのですが、オンジュク寄りの県道に行くことにしていました。
そこは一度リサーチしたことがあり、太陽光発電施設が多数あるので、どうも気分が高まらないし良い予感がしない県道沿い。
でも、今回GoogleMapで見ていると、ちょっとした山の上へと続き消え去る林道らしき道を見つけたのでした。
実は上記の林道から直線距離だと2キロほどしか離れていないのですが、麓の様子はこんな感じ。

ところがアプローチには「私道につき車両進入禁止」の表示が。
ならば仕方がない、歩いて登ることに。
上り始めると、そこは林道ではなく、別荘地に通じる道だということが周りの建物からわかりました。
えっちらおっちら10分ほど舗装路を歩いていくと、こんな風景になりました。

こんな施設を設置するための伐開地なのでした。

作業路を作るための小さな切通しや、このように重機で均した崖はあるのですが。

ダメモトで試掘するも、指標虫はおろか何も出ません。
さっさと踵を返し、途中の低い小崖をコツコツ叩きながら引き返していきました。

こんな乾いた低い崖からは出ないよなと頭の中でぼやきつつ、ザックザックと雑にバチツルを振っていると。
突然のイリュージョン。(雑に叩いていたのにクラッシュしなかったのは偶々)

アオオサムシ ♂ (オサムシ科)
信じられないというのが正直な気持ちでしたが、空白が一つ埋まった瞬間でした。
ならば兄妹もいてくれと念じつつ周辺を叩くと、すぐに二度目のイリュージョン。

同上 ♀
これが扉の写真の子で、南房総亜種らしい赤い個体でした。
気持ちを入れ替えてカニ歩きしながら丹念に試掘すると、この子も顔を出しました。

アワカズサオサムシ ♀ (オサムシ科)
続けて。

同上 ♂
どちらもあっという間にペアが採れてしまったのですが、後が続きませんでした。
鉄塔の方へと歩きながら試掘するも何も出ず。
イリュージョンがおこった場所に戻り、崖の上部の杉の木の根回りに取り付いてみることに。
少し湿り気があるように思ったので出る予感がしたのです。
予感は当たったけれど、バチツルも当たってしまいクラッシュ。

これは悔しいし申し訳ないし残念でした。
ところがそのすぐ近くから鮮やかな緑色の物体が出土しました。

土中越冬していたコアオハナムグリだと思いましたが、ひょっとしたらと思いひっくり返すと・・
腹面が鮮やかに赤く輝いていました。

アオヒメハナムグリ (コガネムシ科)
昨春、君津の山中で遭遇して以来。
元々南西諸島に分布する南方系のハナムグリですが、おそらく房総地域に分布を拡大しているようです。
珍しくクラッシュさせてしまったこともあり、追加が欲しくて周辺を探索。
鉄塔の奥にはさらに伐開地があり、そのどん突きにこんな崖ができていました。

さっきの乾いた低い小崖より、はるかに状態がいい様子。
これは出るだろうと片っ端から掘っていくと、ぽつっとオンジュクでみたゴミムシが出てくれました。
アトボシアオゴミムシ (オサムシ科)
これで勇気が湧き、バチツルを握る手にも力が入ったのですが、掘れども掘れども何も出ず。
ついさっきとは逆の意味で信じられない気分でしたが、とうとうあらかた掘り尽くしてしまいした。
引き返しながら目ぼしい箇所があれば叩いていくも、出たのはスジアオの親分一頭のみでした。
山を降りてホシベニ号にまたがり、チバ方向に県道を辿りつつ林道の支線探し走行。
目ぼしい箇所で試掘もしましたが手応えないままに平地まで降り切ってしまったので帰路につきました。
オマケ
実は1月25日も休みだったのですが、平塚市美術館へ出かけてきました。
虫友の絵本作家、舘野鴻(たてのひろし)さんの前代未聞のライブペインティングイベント。
来場者の前で描いた絵がそのまま絵本の原画になるというのです。
午前と午後で一枚ずつ。

1月31日まで、計16枚製作されました。
絵本「すずめばち」は6月に発刊予定とのことです。
今日の湯加減
今日は2月2日の節分。
今後もしばらく、4年に一度は2月2日が節分になるそうです。
ともあれ、節分の翌日は立春。でも明日から列島には寒波が押し寄せるそうで・・
訳あって来週帰郷します。
次に掘りに行けるのはいつになることやら・・
この記事へのコメント
kame
リュカ
かわいいなあ〜〜〜
「気持ちよく寝てたのに!」ってお顔でしょうか(笑)
こん
目を覚ます前に埋め戻しておきました・・
クラッシュしなくてよかった
高和です。
engrid
こん
可能性ナシを除けばあとわずかですが
一番の難関は地元です
こん
まさにジェットコースターのような一日でしたね
偏りがある最大の要因は、個体数が減っていることだと思います
sakamono
こん
昔は生活道だったのでしょうね。
このハナムグリは背中側ではコアオハナムグリと見分けがつきませんね・・
分布拡大を実感できる貴重な体験でした。
響
ニホントカゲは寝てても綺麗な色。
こん
ニホントカゲの薄い目蓋を見られるのはこういうシチュエーションならゆえですね♪