虫の旬

なかなか虫と遊べず、また前記事から間があいてしまいました。

まったく遊んでいなかったわけではなく、ひと月、休みがなかったというか、入れなかったというか。

珍しく風邪をひいたり、持病がでたり、もろもろ体調面の都合もありました。

ともかくやっと出かけることができ、記事を書く時間ができました。

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オオキンカメムシ (キンカメムシ科)


前記事のコピーのようですが今回撮ったものです。

計画的に休みにした11月1日、久しぶりに探虫、というよりも出かけることができました。

ホシベニ号に乗るのも久しぶりなので、とにかくボウソウへ ♪

まんぼうでお昼を食べることを今回のミッションの一つにしましたが、もう一つ。

前記事で紹介した扉のカメムシの1か月後の消長を確認すること。

12年前に観察した時期は10月末頃だったので、まだいるのかどうかということです。

クルリ街道をひた走り、亀山湖経由で清澄山方面へ。

残暑の余波で気温は高いものの、陽射しがなく、メッシュジャケットだと少し寒く感じる瞬間も。

2時間ほどで清澄山系の麓に。

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川沿いにしばらく進むと、前回キモを冷やした、すべりコケ坂の入口に辿り着きました。

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前日に雨が降ったようでもあり、当然ここにバイクをとめて歩いて登っていきました。

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と、歩き始めてほどなく、坂の上からバイクの音が。

こちらが会釈すると向こうもちょっとだけ首を縦にふりましたが、最徐行で緊張しているのが分かるほど。

よく登って行ったなと思いましたが、おそらく125ccのオフロード車。小型だから大丈夫だったか。

さて、前回観察した地点を含め、道沿いの苧麻(ラミー)はどの株も丸坊主状態でした。

誰の仕業かは不明でしたが、オオキンカメの成虫は葉を齧ることはありません。

なので、ラミーの葉の上ではなく、林縁や頭上の葉の裏を見上げながら探していきました。

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1キロほど登ったところでついに発見。

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かなり高い位置にいたため観察には不向きだったものの、見つけられただけでもまずは目的達成。

他の個体を探そうと、さらに登っていきますが、なかなかいない。

小さな祠があるところまで来ると、栽培しているのでしょうか、こんな光景が広がります。

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そしたら、その外周の木の葉裏に見つけました。しかも集団。

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なんとか持ってきた短いネットも届く高さでしたが、観察には不向きなので他をあたることにしました。

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もうしばらく登ると、例の作業小屋のある場所に辿り着きました。

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前回はその草原に足を踏み入れると足元から多数のクルマバッタなどが飛び出しましたが今回は見られず。

ここは収獲なしかと踵を返したら、目の前の葉っぱの上に。

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オオキンカメムシ (キンカメムシ科)


これは普通の色柄の個体だったので、前回見た黒化型(黒紋優勢型)はいないかなと周辺を探すと。

逆のパターンのがいました。

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同上 (赤紋優占型)


明らかに赤い(オレンジ色の)部分が多い個体です。

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もうしばらく登ってみましたが見つけることはできず、引き返すことにしました。

先ほどの植樹地点の個体群の観察をすると、5頭の集団でしたが、すべてほぼ普通の色柄でした。
(多少の個体差はあります)

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結局、前回よりも観察した個体数は2倍ほど。

この日の現地の気温は20℃前後。

平年よりはやや暖かいと思いますが、まだこの時期は越冬態勢には入らないことがわかりました。

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下りも周囲に目を配りつつ、探虫しながら降りてきましたが、何も見つけることができませんでした。

とうとうホシベニ号が見えてきたので、ネットをたたもうとしたら、目の前のヤマアジサイの葉の上に。

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ヒゲナガオトシブミ ♂ (オトシブミ科)


オトシブミは初夏の虫という印象があることもあり、見間違いかと一瞬思いました。

たたもうとしていたネットを地面におき、撮影に集中しました。

しかし、目線を感じたのか動き回り始めてしまい、震度合成撮影が何度やっても失敗してしまう。

体長はこの首の長いオスでも1センチあまり。目にピントを合わせるのも大変でした。

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同上


この写真を撮った瞬間、飛び立ってしまい梢の中へ消えていきました。

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もう一つの目的を達成しにカモガワへ。

店の前に着いてバイクから降りようとすると、扉の向こうでまんぼうのマスターが手を振っていました。

いつもの席に座って店内を見渡すと、小さな黒板に「アサリラーメン」とある。

「メニューに入れたんだ」

「みそ味じゃないけどね」

「しお味ね」

「アサリラーメンにしますか」

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塩ベースのスープはまんぼうでは珍しいのですが、麺も変わっているように思いました。

食べ終わる頃、マスターが隣に座って「どうだった?」

「麺変えたよね?」

「そうそう、全粒粉を使った麺を試しているんだけど、いつもとはちょっと違うよね」

「いつものツルツル感とのど越し感がないけど、これはこれでソバみたいでいいかもしれない」

「実は配合するときに分量をまちがえちゃったんだよね・・多く入れちゃった」

「ラーメンに使うのは知らなかったけど、全粒粉自体は健康にいいってことで流行ってるよね」

「もう少し配分を変えればツルツル感も出せるよ」

「色々と研究してるんだね」

次回は改良版を試食できることを期待して帰路につきました。

実は最初は三つ目のミッションとして、ゴミトラを仕掛けに行くつもりだったのですが自粛することに。

風邪がまだ治り切っていないせいか疲労感があり、雨も降りそうだった(一瞬霧雨は降った)し。

来週は探虫の予定があるので体調を整えておかなくては。




オマケ


12年前のアーカイブを掘っていたら懐かしい写真がでてきました。

当時はこんなバイクに乗ってて、疲れも知らなかったなぁ。

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ホシベニ号の5倍の排気量でした。




今日の湯加減

9月のインセクトフェアで南西諸島のチョウの卵を気まぐれに入手しました。
シロオビアゲハという蝶で、メスの一部が毒蝶のベニモンアゲハに擬態した模様になります。
普通のシロオビ(白帯)型の子と、ベニモン(紅紋)型の子、全部で10あまりありました。
サナギまで辿り着けなかった個体もいくつかありましたが、現時点で5頭羽化しました。
ただ、残念ながらベニモン型はまだ一頭も出ていません。
そもそもそうなるのはメスだけで、その確率も3割と言われているので1頭でるかどうかですが・・


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この記事へのコメント

  • 高和です。

    お元気の由、安堵しました。オオキンカメさま、色や斑紋で相違があるとは!チョウだと春型、夏型、秋型となるんでしょうか。種類によって生き残りの戦略が違うんですね。勉強になります。
    2024年11月03日 05:11
  • いろは

    こんにちは^^
    体調を崩されていたそうですが、もう大丈夫でしょうか...
    不順な気候が続きますね。お身体お大事になさってください。
    オオキンカメムシ、見つかったのですね。
    越冬するには20℃は暖か過ぎるのでしょうか。
    ヒゲナガオトシブミ、首が千切れているように見えます
    ^^
    2024年11月03日 17:10
  • 葉っぱの裏にこんな感じでひっついているのですね。
    まだ出会ったことがないカメムシですが綺麗だなー。
    2024年11月04日 21:37
  • 山健父

    体調大丈夫でしょうか?
    キンカメ、いいですね!
    千葉県オサホリレポが好きなので、冬本番を楽しみにしてます!
    私もかつては自動二輪を10年ほど乗ってましたが、現在は人力二輪に乗り換え、先日200kmタイムトライアルレースを初完走してきました。6時間40分ほどかかりました。
    また、こちらも冬本番ということで、今週末アクアラインを人力二足で40kmばかり走行する予定ですよ。
    2024年11月06日 02:50
  • sakamono

    不安になるくらい首が細くて長いですね。
    でも名前はヒゲナガオトシブミで、「クビナガ」ではないのですね^^;。
    塩味のアサリラーメンがメニューに入ったのですね^^;。
    2024年11月06日 11:43
  • kon(昆)

    >山健父さん
    200キロですか・・ちょうど南房に行って帰る距離ですね笑
    これからオサホリシーズンに向けて体調管理しなくてはですね。
    アクアラインレースなんてあるのかな?ご検討を祈ります!

    >sakamonoさん
    オトシブミのオスはみな首が長いのでこの方が特徴をとらえているのかもしれません
    アサリラーメンは全粒粉仕様になると思います!
    2024年11月06日 19:44
  • kon(昆)

    >高和です。さん
    オオキンカメの色柄は基本的には警告色なのでしょうけど、個体差の理由はわかりません

    >いろはさん
    寒くなりましたね。そろそろ越冬モードに移行するでしょう
    オトシブミの頭は不安定に見えますね~

    >響さん
    オオキンカメは南方系の虫だと思うのでそちらの方が断然多く生息しているはずです!探してみてください

    リプライが前後しました・・あしからず・・
    2024年11月09日 09:58