水路でガサガサ

前記事で探虫の予定があると書いたのは、水生昆虫採集でした。

この時期は甲虫やチョウたちの姿もなかなか見られず、バッタやコオロギたちもなりを潜めます。

トンボのシーズンもそろそろ終盤、オサムシやゴミムシたちはそろそろ土中にもぐりはじめます。

つまり虫採りは端境期ということ。

その端境期探虫の一つが水生昆虫採集なのです。

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ノシメトンボ (トンボ科)


試合会場はこういう水路。

先のインセクトフェアでは、外国産のタガメは販売していました。(国産のタガメは売買禁止)

他の水生昆虫を売っているブースは見当たらなかったので手に入れられず。

うちのゲンちゃんたちも減ってきたので、タガメはともかく、何か採れることを期待していました。

11月7日、東京駅でHくんと待ち合わせ、新幹線でバビューン。

大宮でT師匠が合流し、北関東の某駅にてUさんにピックアップしてもらいました。

ここを訪れるのは5年ぶり。ピーカンとは言えませんでしたが快晴。

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いつもの場所よりも少しだけ上流に行ってみようということで、用水路の堰があるところに来ました。

圃場に降りる道の下を水路が流れています。

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さっそくウェーダー(胴長靴)をはき、水網を携えて水路に突撃。

キヌ川の支流で護岸はされているものの、水源は湧水があるようで水がとても清々しい。

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みんなより上流の場所に入り、水際の草陰や流れの中の水草の奥をガサガサ。

と、いきなりトンネルの向こうから「タガメ~!」とUさんの声が。

すぐ見に行けず写真を撮り忘れたので、これは後日写してもらったものですが大物でした。

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タガメ (コオイムシ科)


これは期待がもてるぞと水網を持つ手に力が入りました。

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堰とトンネルの間を掬い続けましたが、網に入るのはハヤの稚魚とドジョウとヌマエビやヤゴばかり。

ヤゴはハグロトンボの幼虫がほとんどでしたが、成虫たちはもう姿を消していました。

ふと岸辺に目を向けると、この場所のレギュラートンボの一種が日向ぼっこ。

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ミヤマアカネ ♂ (トンボ科)


周りを見ると大勢のペアが産卵しているのも観察できました。

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同上 ペア


トンネルの向こうでガサっていたHくんと合流し、しばらく粘りましたが特筆すべき成果なし。

UさんとT師匠はタイコウチやミズカマキリが採れたようでした。

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お昼近くなったところでいつもの場所へ移動。

到着するや水路にざぶん。

Hくんと二人で上流方向へ、UさんとT師匠は下流方向へ。

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しかし、しばらく掬っていくも手ごたえなし。

ハグロトンボのヤゴの他に採れたヤゴはこんな子たち。

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コオニヤンマとコヤマトンボのヤゴだと思います。

タガメはおろか、お目当ての甲虫類はまったく採れず。

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腰が痛くなってきたので三人を尻目に陸に上がって一人でお昼休憩。

休憩後に少し周辺の散策をしたあと、再度水路に突撃しました。

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今度は下流側の堰まで行き、そこから上流に向けて一人進軍。

しかしやはり手ごたえはありませんでした。

上流側から下ってきたメンバーとかちあったところでギブアップ。

これ以上やり続けると腰痛火山爆発確実なので。

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結局、甲虫類としてはヒメゲンゴロウが二匹採れただけでした。(写真なし)

他のメンバーもタイコウチとミガカマキリは少し追加できたものの、本命のタガメの追加はなし。

ゴリとドジョウくんを記念にお連れしました。

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5年前はクロゲンやマルゲンもいくつか採れましたが、ヒメゲンさえほんのわずか。

どこへ行っても虫たちは減るばかりです。




オマケ


前記事の湯加減に書いた蝶。シロオビアゲハ。

最後のサナギが数日前に羽化しました。

なんとそれは期待していたベニモン型。

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シロオビアゲハ ♀ ベニモン型(アゲハチョウ科)


メスの3割だけがこの模様になるとのことですが、ほぼその確率通りという結果でした。

見られたことに感謝。




今日の湯加減

今日は若いスタッフに誘われて、昆虫館の帰りに昆虫食のお店「TAKEO」に行ってきました。
久しぶりに飲んだタガメサイダーは発売当初よりも味が濃く(甘く)なったように感じました。
(タガメエキスの割合は0.3%と変わらず)
ハートランドビールとのカクテル「タガメランド」を注文したのですがタガメサイダーの味が優位。
タガメ自体も試食できたので、身をほじって食べたりお尻の部分を吸ってみたり、腕を齧ってみたり。
身は何か(甲殻類)の味に似ていましたが、香りはタガメサイダー臭が勝ってしまって・・
ハエの子スパゲティも注文したのですが、こちらもバジルと唐辛子の香りが勝っていました。
ともかくどちらも美味しくいただきましたけど。


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この記事へのコメント

  • アヨアン・イゴカー

    タガメ料理があるのですね。びっくり。
    タガメは甘みがあるのですか?
    2024年11月17日 10:49
  • 魅力的な水路ですね。
    ガサガサは楽しい。
    これ見たら久し振りに網と長靴持って出かけたくなりました。
    2024年11月17日 17:29
  • 高和です。

    ベニモン型シロオビアゲハ、確率通りに出るんですねえ。おそれいりました!
    2024年11月18日 04:09
  • kon(昆)

    >アヨアン・イゴカーさん
    東南アジアでは普通に市場で売っているそうです。
    とくにタガメのオスは風味付けとして重宝されているとのことです。

    >響さん
    さては、ウェーダー持ってますね笑
    本命はとれませんでしたが楽しく探虫できました♪

    >高和です。さん
    n=10なので偶然かもしれませんがよい経験ができました。
    子供たちと一緒に観察できたのが何よりでした♪
    2024年11月18日 22:06
  • 山健父

    この時期にガサガサなんですね!
    ガサガサも何が出るかわからないワクワク感がオサホリに似ていて読んでて楽しかったです。
    ゲンゴロウ、昔は小学校の夏休みのプールでは一緒に泳いだものですが、実家の方も田んぼが潰されてめっきり減ったようで残念です。
    現在例のヒヌマポイントあたりが洪水対策の河川改修工事中でして、少し心配です。
    2024年11月19日 09:09
  • kon(昆)

    >山健父さん
    ターゲットとポイントを定める点がオサホリと同じですね。
    ゲンゴロウと競泳とは夢のような世界ですね♪
    河川工事ですか・・・事前に心配アセスされたかどうかがとても気になりますね・・・
    2024年11月19日 21:29
  • sakamono

    水路の水がキレイですね。湧水のある風景はとても好きです。
    水路でガサガサしている様子もいい感じです。
    タガメって結構デカくてゴツイですね。この前足なら肉食というのも
    うなずけます。食用にもむいているのですね。
    2024年11月20日 22:10
  • kon(昆)

    >sakamonoさん
    ここもアメザリがいっぱいいるのですが、流れがやや速いのでなんとかという感じですね
    タガメは東南アジアでは市場で普通に売っているそうです
    2024年11月24日 17:05