ショウナイの西風
前記事で訪れたのは某山の中腹にある神社の境内でした。
オナガたちに別れを告げたあと、敷石に腰かけ、ほっと一息ついていると・・
神社奥の登山口(本殿への参道入口ということがあとで判明)から、何かが飛び出してきました。
木漏れ日を浴びてチラチラと明滅するように、ふたつの白い影がもつれあって舞っていました。
反射的に立ち上がり、近づこうと歩を進めたら、それは二手に分かれてしまいました。
その一方を追いかけていくと、神社軒下の敷石の上に舞い降りてくれました。
そおっとそおっとにじり寄り、それがシジミチョウだと分かった瞬間、胸の中でうわっと叫びました。
まぎれもなく、それはゼフ(ミドリシジミの仲間)でした。
しかも、石の表面に口吻を伸ばして何かを探っているということはおそらくオス。
しかし、懸命に心を鎮めながらカメラの準備をしているうちに気配を察知されたようです。
ぱっと飛び立ち、林の方へ・・あわてず騒がずされど見失わないように後を追う。
すると運よく林縁の下草(オナガたちをのせたのと同じ草)の上にとまってくれた・・
と思った瞬間、直射日光を浴びたその子が翅を開きました。
オオミドリシジミ ♂ (シジミチョウ科)
シャッターを切った瞬間、彼は再び飛び立ち、林の中へ消え去りました。